
少ないと毎月の生活費がかさみそう。反対に貯金全額突っ込むのもリスクがありそう…と悩む方も多いかもしれません。
今回は、頭金のメリット、目安額、頭金ゼロ(フルローン)について解説します。
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頭金とは?
頭金とは、物品を分割購入するときに、買い手側が売り手側に最初に入れるお金のことです。これにより物品が引き渡されることになります。
ただし、この頭金は分割購入、つまりローン返済の1回目の額よりかなり多く、物品の代金の2分の1や5分の1ぐらいの額になります。
頭金とよく似た言葉に手付がありますよね。これも売買契約を履行するために買い手側から売り手側に金額の一部を支払うことです。
手付には解約手付があり、これは、契約履行前なら買い手側が手付金を放棄するか、買い手側から手付金の倍額を返せば、契約は解除できます。
頭金にはこの解約手付の性質はありません。
頭金のメリットは?
頭金を多く入れることで得られるメリットは、まずは後々のローンの返済額が減ることです。
単純計算をしてもわかると思いますが、例えば3000万円の住宅を購入するときに、1000万円の頭金をいれれば、2000万円を分割支払いすれば良いですよね。
なので毎月の返済額は、3000万円全部ローンにするよりかなり安くなります。
また、ローンで借りる額に応じて利息がかかってきます。
変動金利や固定金利、ローン会社によってもその額は変動しますが、一般的には3000万円借りるより、2000万円借りた方が利息は安くなります。
住宅ローンを借りるには、借りる人の年収や資産、あるいは他にローンを組んでいないかどうかなどを合わせてローン審査が行われます。
その時に頭金を多く投入していると、返済能力があるとみなされ、ローンが通りやすくなるメリットがあります。
頭金の額については住宅購入時期にもよります。
例えば、子供が幼い時に住宅を購入した時には、月々の返済額が少なくなるので、その分生活は楽になると思います。
しかし、子供が小さい時にはいろいろなことで急に資金が必要になることもありますね。
町の中心に住むことができればいいのですが、転居した地域にスーパーや病院がないところであれば、車が必要になります。
家にはご主人用に1台あるものの、奥様、子供用にもう1台購入する必要がある生活環境もあるわけです。
その時、予想もしない車代金とまた、車維持費もかかってきます。
持っている貯金を全部、頭金に投入するのは非常に危険な選択肢です。
反対にある程度子育てなども落ち着いた年齢で購入するときには、返済する期間も限りがあります。
返済が退職してからも続くようであれば、持っている貯金から頭金を投入。
退職金や年金の額を計算し、コンスタントに返済できるようになるべく多く頭金を投入したほうがいいかもしれません。
頭金はどのくらい必要?目安は?
頭金はどのくらい入れるのがいいのでしょうか。
一般的には購入代金の1割から2割といわれています。
注文住宅の場合は、土地を自分で所有している場合と土地付き注文住宅とではローンの借り方や審査、それによる頭金の額なども条件が変わってきます。
自分所有の土地があるとそれを担保にもできるので、ローンも通りやすい等のメリットはありますね。
また、ローン返済する際に忘れてはならないのは、購入額だけを借りたらいいのではありません。
家を購入するにあたり、事務手数料や保証料がかかります。
近年、地震や自然災害等が頻繁に起こり、家が破損したり、つぶれたりすることが頻発していますよね。その費用は多大です。
そのような事態に備えて地震保険、火災保険などの各種保険加入も必然ですね。
その他、家を購入すると不動産登記をする必要があります。
司法書士に依頼し登記しますが、これもまたお安い額ではありません。
そのような諸費用も念頭に置き、住宅ローンを借りる必要があります。
フルローンでも大丈夫?頭金ゼロのリスクとは?
頭金がない方は住宅が購入できないかというとそうではありません。
ローンの審査は通らなければなりませんが、頭金なしでも購入される方もいます。
以前は購入金額の8-9割のローン提供が普通でしたが、フルローンで貸してくれる金融機関もでてきています。
金利も安くなり、1%を切るところもありますね。
H33年までは住宅ローン減税なども設けられ、住宅は購入しやすくなっているのも事実です。
頭金ゼロでのリスクとしては、売却や借り換えの時に困るかもしれません。
住宅ローンが残っているが、家族が増えたり、転勤などで売却して借り換えすることもありますね。
その時、家を売却した額よりも残った住宅ローンの額が上回っている場合があるのです。
上回っている額を支払う能力があれば問題ないのですが、支払うことができないときには、売却することもできなくなります。
頭金を入れてローン額を少なくすることでリスクは軽減します。